DC−2&ハウジングで水中デジタル写真を撮りはじめてから、1年9ヶ月。私の機材にもとうとう代替わりの時がやって来ました。
(とは言っても、DC−2は不滅。今後も、DC−4と使い分けて使用して行くつもりです。わたしのDC−2Lは酷使のためにかなりくたびれてしまったので、今ならかなり安く売っているDC−2をもう一台確保しておく事にしました。)
<DC−2の時代>
DC−2&Oタイプハウジングの組み合わせでは、液晶モニタを外した状態でハウジングに入れたがために生じたフレーミングの難しさがあったのですが、数々の長所がありました。
・1cmまでのシームレスマクロ
・CCD感度の高さ
・撮影間隔の短さ
・レンズとストロボの光軸間距離が長く、ハレーションを起こしにくい
・ストロボ光受光窓の位置がストロボから離れていて、ハウジング内の回り込みがない
・ATAの大容量PCカードが使える
現時点においても、わたしのようにホームページに縮小した画像を載せるような用途には十分に現役で使用できる実力があると思います。
<DC−2への不満>
ただ、たまにプリントアウトしてみることがあったのですが、今となってはプリント状態で鑑賞するには少々(と言うか、かなり)寂しい画質であることは間違いありません。また、自分の中でホームページ作りがマンネリ化してきたな、と感じることもありました(何ヶ月か更新しないこともありましたねぇ)。
そんなこんなで何ヶ月か前からいいデジカメはないかな〜、と新製品のチェックだけは欠かさないでいました。買い換える場合の条件としては、
・DC−2を大幅に上回る画質(やっぱメガピクセルだよな)
・他の点(DC−2の長所とした点)はDC−2並
・今度は、液晶モニタ付きにしよう
と、考えていました。
しかし、なにしろ、ぜんぜーんそんなデジカメが出てきません。1cmまで切り替えなしのマクロなんて同じリコーのDC−3ぐらいしかないし(VGAだから画質面から候補外)、高画素のデジカメはどれもデータ書き込み時間が長い、ビビビと感じるデジカメはぜんぜん出てきません。
<とにかく買うゾ→買っちゃった>
でも、今年の新年の目標が「水中デジカメを買い換える」だったので(笑)、わたしは焦り始めました「このままじゃあ、目標が達成できないー」。そして、我慢できなくなったわたしは、条件をかなり緩和して(「ものすごい妥協」とも言う)DC−4を買ってしまったのです。DC−2の時には、その時点で一番水中向きとの確信があったのですが、今回のDC−4に関しては、個人的なリコー贔屓の心理が大幅に働いたことは間違いないです。(ニコンのE900なんかも惹かれる物があったんですが、ちょっと大きいのと、ストロボとレンズの光軸が近いのが気になってやめました。)
なにしろ、わたしが思う欠点をあげちゃうと、
・CCDの感度が低い
・マクロが最近接でも8cm
・しかも、切り替えが必要でテレ側のみ
・撮影間隔は長い(対DC−2)
・メモリカードがスマートメディア(16Mが使えれば?我慢できるんだけど)
・パワーズームが遅い
と、こんなにあります。
でも、もちろんよい点もあって
・小さくて持ち運びしやすいよ
・弁当箱型のハウジングに収まるね
・ちゃんと撮れれば画質はよいぞ
・切り替えは必要だけど、105mm相当のテレマクロは使い道ありかな
といったところです。
<すぐにハウジングだ>
デジカメ本体を購入したからには、すぐにハウジングを作らなくてはなりません(大げさですね)。もちろん、今回もDIVにオーダーして作ってもらうわけですが、まずは、希望する仕様をまとめておく必要があります。DC−4の場合、大きく分けて次の2つの項目について決めることになります。
1.ハウジング全体の形状。
2.外部からの操作部分
形状について、DC−4はレンズ部分が回転する構造になっているため、どの向きの状態でハウジングに納めるかによって、使いやすさとハウジングの大きさが変わってきます。
最初は、ごく普通に考えて、レンズを90度前方に向けた状態が良いかな?と思ったのですが、実際の使用状態をシュミレーションするために部屋に寝そべり、砂地の魚を撮るつもりでカメラを構えてみました。やってみると液晶モニタがよく見えません。液晶の性質のため、斜め上からの角度だと表示内容ぜんぜんが見えず、正面か、斜め下側から見る必要がありました。そのため、レンズ部90度仕様は却下。色々試したところ45度位が調子良いことを発見しました。
ハウジングを実際に製作する時の作り易さと、出来上がりの寸法のことを考えると、レンズ部0度(フラット形態)が一
番良いのですが、ウエストレベルファインダーみたいで調子悪いかなぁ?と思い、取り敢えずDIVには45度で頼んでみることにしました。
操作部分については、まことに困りました。DC−2では、電源スイッチを入れっぱなしで1日中放置しておいても支障がなかったので、操作部をなるべく減らすために電源操作部は省略し、
1.レリーズ、
2.二焦点切り替え
3.ストロボモード
の、たった3カ所だけで済んでいました。DC−4では、試した結果、撮影モードでは電源を入れてモニターを切った状態でも、ほのかに発熱して電気を食っており、そのうち電池切れしてしまいました。そのため、
・「電源スイッチ」は、必須と言うことが判明。
・「レリーズボタン」はもちろん必要。
・「モード切替ダイヤル」にマクロモードと通常撮影の切替があるので、これも必須。
・「ストロボのON/OFFボタン」も状況による切替は必要なため、これも必須。
・「ズームレバー」も、当然必須。
これだけでも、もう5カ所です。さらに、DC−4では、ホワイトバランスや、露出補正、感度アップのSモードという機能があり、結果が液晶モニタで即座に見られるが故に、これらの機能も使いたいなぁ。ということで、可能ならば、さらに
・「メニューボタン」
・「決定」ボタン
も付けたいなあ、と、希望は膨らみ合計7カ所になってしまいました。もし、最後の2つも付けられれば、水中で再生や削除まで出来てしまうことになりますが、このへんは、スペースの絡みで難しいかもしれないので、DIVと相談することにしました。
<DIVに持ち込み>
2日間ほどあれこれ試したあと、早速上京し、工藤社長のいる池袋のDIVへ持ち込みました。その時点では、DC−4の発売後一週間も経っていなかったのですが、そこには何故かもうDC−4が2台と試作ハウジングが...。なんでも、リコーの人が置いていった試作品で、1台はぜんぜん動かない代物でした(苦笑)。ダイビング用途でなく、一般の防水レベルのハウジングをリコーから依頼されて作ったそうで、アクリル材も薄い物でした。う〜む、リコーはデジカメを防水にするオプションを出すor防水デジカメを売り出す気が少しはあるのだろうか?
そんな物を見せてもらった後、わたしのハウジングのスペック相談です。まず形状について、「レンズ45度方向」の件は、やっぱり難しい様子。よくよく相談したところ「作るのは出来るからやってみようか」とのお答えでしたが、どうしても出来上がりが大きくなりそう。結局、ここで考えを改めハウジングのコンパクトさを取りいちばん小さくできる「レンズ方向0度」仕様としてもらうことにしました。ウエストレベルファインダーのカメラと考えればすぐに慣れるだろう。やっぱ、水中デジカメは、お手軽、コンパクトが一番だよな!(と言いつつ、将来数メガピクセル一眼レフタイプ一般価格デジカメが出てきたら買ってしまうでしょうが...。)
続いて操作ボタンについて。なんやかんや相談の後、7カ所全部を操作可能としてもらうことにしました。これで、水中で操作できないスイッチは、「画質」ボタンと「バックライトの明るさ調整」ダイアルだけとなりました。8MBまでのSMサポートとなっているDC−4ゆえ、万一水中でメモリーを使い切ってしまった後に水中でイマイチのコマを選別して消去する事も可能です。(かなり面倒臭く情けない作業なので、やりたくはないのですが...、16Mが使えればなぁ〜〜)
以上のように仕様を決定。後は、約1ヶ月おとなしく待つことになります。
<DC−4用ハウジング完成>
待つこと1ヶ月弱。段ボール箱に梱包されたハウジングが届きました。蓋を前後どちらに付けるかなど、細かいところはDIV任せでしたが、レンズ側を取り外せる蓋としてありました。やっぱり、操作部分がいっぱいあるからレバーの取り付けのしやすさなどからこうなったのでしょう。
操作系について、レリーズボタンのみ押しボタン式。他の6カ所は、レバーまたはダイヤルを回す方式となっていました。レリーズは、ハウジングの外からでも完璧に半押しが行え操作感はバッチリです。他の操作箇所については、陸上で操作することと比べると操作はしにくく、まだるっこさは感じますが、確実に操作は可能であることを確認できました。
ハウジングの出来上がり写真を参照して下さい。
上から覗いて撮影します。モニターは水中でも良く視認できます。(ものすごく明るい海外や沖縄等でどうなるか、楽しみです)
ハウジングメーカー泣かせでしょう。操作部を7カ所も付けてもらいました。慣れないうちは、どれが何の機能のレバーか?すぐには思い出せません。
レンズ0度仕様のため、けっこう薄くなりました。BCのポケットに入れることが出来るサイズで、お手軽です。ただし、わたしのBCはポケットが小さくて入れられないのでした。
<< もう少し続く 7/4 >> やっぱり終わりです。(1999/5/10)