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ウォーバーズ・オーバー・ワナカ・エアショー レポート (特別編)
"WARBIRDS OVER WANAKA  INTERNATIONAL AIRSHOW 2006" Special Report
エアショーの翌日、念願のSu29に乗せてもらう機会を得られました!!
エアーバンディッツが使用しているスホーイは諸事情からJA登録が出来ず、ロバートさんの機体はロシア国籍となっています。日本では体験飛行の許可を取ることがとても困難で、今までタンデムの前席に乗せてもらうことは叶いませんでした。地上でコックピットに座って気分を味わうことはできましたが・・。
(このページの写真は、Iさんに撮って頂きました。)


フライトの準備です。前席に乗り込み、まずはシートの背もたれ部分にはめ込まれているパラシュートのハーネスを締めます。
次に5点式のシートベルトを締めますが、腰のベルトはラチェット式でガチャガチャと締め込みます。背面になってもお尻が浮かび上がらないためにです。

緊急時の対処について、親切にレクチャーしてもらいました。
「出なきゃならなくなったときは、この2つのバックルをはずして、外に飛び出たら、これを両手で引っ張れば、パラシュートが開く・・・かもしれないね」
ヘッドセットを掛けて、プラグを差し込んで私の準備完了。


長年妄想していたSu29でのフライトですが、どうも緊張していたようです。「笑顔がなかったと」Iさんに指摘されました(笑)。


キャノピーの中からエンジンの始動を見るのは初めてのこと。各計器の針がエンジンの振動でブルブルと震えます。
スホーイの震動はスゴイということは、取り付けたオンボードカメラの震動対策に苦心していたことからも分かっていましたが、自分で体感するのはまた別です。

ワナカの土の誘導路をSu29でタキシング開始。前席に座っていても、やっぱり前は全く見えません。ロバートさんが機体をジグザグに振って、前方を確認しながらランウェイエンド付近までまで移動、そこでエンジンのパワーを上げてウォーミングアップとマグネトーのチェックが行われました。油温計などがどうなっているのか?等 ぜんぜん分かりませんでしたが無事に準備完了の様子です。

ランウェーに入ると間もなく離陸滑走開始。あっけなく浮き上がりました。
ワナカ空港周辺の景色を見ながらどんどん上昇して行きます。どこに向かうのかな?と思っていると、我々が泊まっているワナカの街の方へ向かっているようです。間もなくワナカ湖が見えてきました。ワナカ湖の上空で旋回します、下に泊まっているアパートメントが見えましたが、小さくて人がいるかどうかはよく分かりませんでした。

湖の真ん中あたりで空港方面に戻るように進路を取りつつさらに上昇して行きます。はげた山が見えます。ロバートさんから「上昇しながら旋回してみて」と言われ、私がスティックを握ってスホーイを操縦させてもらいました。富士川で何回か訓練飛行をしたグライダーと比べると敏感ですが、一応私が思ったように動いてくれるようです。スリップしていたようですが気づきません(苦笑)。後からロバートさんが「ボールが真ん中に来るようにラダー踏んで」と指示があります。ボールを見ると、しっかりとズレていました。

いよいよアエロバティックスを始めてもらいます。まずは、ループをやってくれました。
ぐぐッと上昇開始し、1/4ほど回ったところで頭を上に向けると視界の良いキャノピー越しにワナカの大地が視界一杯に広がります。スゴイ!。で、視界を前に移して・・と思いましたが首は上を向いたままで動きません(笑)。Gは非情です。ループが終わると首はガクッと前に戻りました。ロバートさんには「問題ないでーす」と答えておきます(笑)。

VIDEO1 最初のループ(操縦:ロバートさん)
First Loop by Robert.
つゆきは、途中で首が戻らなくなったのを必死にごまかしています・・。

すると、「じゃあループやってみて」と後からありがたいお言葉。とりあえずスティックを引っ張ればループするだろう、やったれ!とスティックを引きました。
一応それらしくループしますが、途中で機体が傾くから修正してねと指示があります。修正している「つもり」ですがどうなっているのかよく分かりません!そのうちループの終盤では何か機体がガクッと傾いたような・・。後でロバートさんが何かしてるのかな?とその時は思いましたが、じつはスティックを引きすぎてストールしていたのです。ひどいループです(苦笑)。

VIDEO2 ひどいループの例(操縦:つゆき)
Bad Loop by Tsuyuki.

次は、ロバートさんが背面をやって見せてくれました。十数秒間は背面を維持してくれたので私の体はベルトでぶら下がっている状態です。しっかりベルトを締め込んでいるので動くことはありませんが、ラダーに軽く添えている足が浮き上がり気味で、どうしようか状態でした。でも景色がよく見えて気持ち良かったですね。

VIDEO3 背面飛行(操縦:ロバートさん)
UpSideDown by Robert.

続いてループを何回か練習させてもらってからハンマーヘッドを2度実演してもらいました。真上を向いて上昇中はきついGも掛からず、快適そのもの。頂点でロバートさんがラダーを踏み込むと機体はくるっと真下を向きます。(この瞬間、地面が正面に見えて真っ逆さま状態。精神的にちょっとシビレます。)
体がきついのはこの後の引き起こしです。上半身にぐっと力を込めてこらえます。この瞬間に何G掛かっていのか?フライト中にGメーターを何回か見ようと思いましたが・・余裕が無くてよく分かりませんでした。

VIDO4 ハンマーヘッド(操縦:ロバートさん)
HammerHead by Robert.

で、次はロールに挑戦です。てゆうか、「じゃあ、ロールやってみて」と後から言われ、おそるおそるスティックを左に傾けてゆっくりとロールさせてみました。軸がどうのと気にしなければロールも出来てしまうものなのすね〜。左に傾けたのは右手で押しやすい方向だからであって、この時は何も考えていませんでした。
この後、ロバートさんはスローロールのお手本をやって見せてくれましたが、ロール中にエルロン以外の舵の操作が必要なスローロールは素人には無理と思ったのでしょう、「早く回ればエルロンだけでそれなりにロールできるよ」と右回りの早いロールをやってくれました。最初にちょっと機種を上げてから一瞬で、ぐりっと回ります。
私も、何回か挑戦しましたが360度回してピタッと止めようと気持ちは思っていますが、飛行機の反応が思ったより早い為か?、それともやっぱり私が焦っているのか?、回りきる前に止めてしまい、残りを後から回す、かっこわるいロールを何度もやってしまいました。

VIDEO5 お手本のロール(操縦:ロバートさん)
Roll by Robert.

VIDE6 足りないロール(操縦:つゆき)
Bad Roll by Tsuyuki.

このフライト中、ロールとループについては何回も練習させてもらいました。後からビデオを見直して、いちばんまともそうな回を公開します!
といっても、我ながら力みまくっていて笑えます。

VIDEO7 いちばんまともな?ロール(操縦:つゆき)
Better Roll by Tsuyuki.
この「りきみ具合」は我ながら笑えます。

VIDEO8 いちばんまともな?最後のループ(操縦:つゆき)
Better Loop by Tsuyuki.

飛んでいる間はあっと言うまでしたが、30分以上はフライトしていました。「今日はこのぐらいしておこう」ということで、私のスホーイ初体験は終了です。
ロバートさんの着陸はスムーズでした。


フライト終了後の私。やたらと笑顔で丸い私です。

初めてのスホーイ体験は、爽快で、久しぶりにいい汗をかきました(熱かったのか?、冷や汗か??)。
私のためにフライトしてくれたロバートさんに感謝です。

(実は、フライトが終わってから何時間かの間は、酔ったのか気持ち悪かったです・・。無理して昼食を食べましたが)

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